死体のない事件
Case Without a Corpse   1937

 酒場でタウンゼントとダーツに勤しむビーフ巡査部長の元に、船の船室係をしているロジャーズという青年がやってくる。彼は「自首しに来た。人を殺したんだ」と言った後に、毒を飲んで自殺をしてしまう。

 ロジャーズは身よりもなく彷徨っていたのを、この街のロジャーズ夫妻が引き取り養子にした青年ではあるが、あまり近所の評判はよくないといったたぐいの人物であった。

 ビーフは事件が困難なものだと感じ取り、スコットランドヤードに救援を求める。そしてヤードからスチュー警部が応援に来て彼の指揮により捜査が始められる。ロジャーズ青年の周辺を探ると、彼が最近会っていた中で行方が知れない人物は、フェアファックス夫妻、スマイズという女性、そして得体の知れない外国人。

 行方の知れない彼らを追っていくと共に、ロジャーズ青年の過去を調べて行くと、ロジャーズ青年は外国で犯罪を犯していたことや、麻薬の密売に関わっていたことが明らかになってゆく。

 しかし殺されたのでは?と思われていた人々が次々と捜査によって生きた証人として現れることに。やがてロジャーズ青年に殺されたと思われる該当者はいなくなる・・・・・・

 いったいこの事件によって殺されたのは誰か? 事件の背景にある麻薬の密売はどのように関係しているのか?そしてビーフ巡査部長の出した結論とは!?



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