<内容>
ニューヨークのアンダーグラウンドで探偵を営むバーク。彼の元にフラッドという空手の達人の女が依頼に来た。復讐のためにコブラと名乗る男を探してもらいたいと。最初渋ったものの、結局依頼を引き受けることとなったバーク。彼は仲間の協力を得て、ニューヨークのなかからコブラという男をあぶりだそうと画策し・・・・・・
<感想>
かつて読んだバーク・シリーズであるが、感想を書いていなかったので、第一作からの読み直し。一風変わったハードボイルド小説を紐解いてみる。
このシリーズの魅力は、ニューヨークの裏社会を独自の目線で描き上げているところと、魅力的な仲間の力を借りての探偵活動、その2点を挙げられる。主人公のバークは私立探偵であるものの、犯罪行為すれすれ(何気にアウトといっても良さそうな気も)の活動を行って生計を立てている。その善悪の境界線はあくまでも自分の考えのみの行動となっている。
猛犬との孤独な生活を送りつつも、いざ仕事を行うとなれば、様々な仲間たちの手を借りて行動を起こす。聾唖ながらも武術の達人であるマックス。その雇い主であり、バークの身を心配する飲食店経営者のママ。男娼ミシェル。地下に潜む天才発明家モグラ。こういった魅力あふれるキャラクターたちに囲まれている。
また、本書ではバークの依頼主となるフラッドの存在も印象的。小柄ながら空手の達人であり、勝気な性格も含めて魅力を醸し出している。この作品での依頼自体はごく普通の人探しと言ってもいいのであるが、上記の述べた背景やキャラクターにより、通常のハードボイルド小説とは一線を画すような描写に自動的に仕立て上げられてしまうのである。全体的に粗も多々見受けられるように思えるのだが、それを打ち消してしまうほど魅力にあふれた作品となっている。
<内容>
殺し屋はゴーストと呼ばれていた。自分の両手だけが唯一の武器だ。ストリップバーで彼は踊り子シェラと出会った。二人はお互いが同じ種類の人間であることを感じとり、美人局のコンビを組む。だが、殺人事件に巻き込まれて彼が服役しているあいだに、シェラは姿を消した。彼女を求めてゴーストはアメリカのアンダーグラウンドを地に染めて彷徨いはじめる・・・・・・
<内容>
過去の事件の出来事によってしばらくの間自分の中に閉じこもっていたバーク。そしてまた新たに仕事を始めようと考え出していたとき、「ぼくは自殺しそうな気がする。守ってほしい」とランディーという若者から電話を受けた。彼の周囲で知り合いの若者が次々と自殺し、異常な事態に怯えたランディーは、母親の知人であるバークを頼って連絡をしてきたという。
死んでいったものの背後を追ううちに明るみに出てくる、恐喝、SM、精神科医。バークに近づいてくるファンシイという女、そしてその妹チャーム。
事件を追う中でランディーの成長とファンシイとバークの愛? が繰り広げられ事件は終局へと向かって行く。
ここからアウトロー探偵バーク・シリーズ第二期が開始される。
<感想>
いまいち話が分かりづらかった。事件が進展しないままだらだら続くし、ファンシイとチャームをからめた事件の内容としても全体を通してはよくわからなかった。うーん、過去のバークシリーズの勢いは消えてしまったのだろうか。バークの仲間たちの活躍もなかったし。
だいたいランディの母親って誰?過去の作品にでてきたっけ?
それでもランディー青年の成長していくさまはみていて微笑ましかったし、ファンシイとバークの関係も展開を期待しながら読み通すことはできた。まぁせっかくバークが帰ってきたのだから次の巻に繋がる一冊ということでよしとしましょう。