巷説百物語


「小豆洗い」 (季刊「怪」第零号 平成九年十月刊)
 旅の途中、西海は雨宿りに小屋に立ち寄る。そしてその小屋の中にいた人々との間で百物語が交わされ始める。山猫廻しの女が語る。昔、彼女の姉が婚礼の時に山猫に魅入られ、嫁ぎ先から飛び出し、山の中に居座りつづけた。飢え死にするまで・・・・・・。さらに商人が語る。かつて自分はまったく人を信用せず、店のものを恐れつぎつぎと首にしていった。その中で少し足りない小僧、弥助だけを可愛がっていた。その弥助が小豆を洗いに行ったとき殺されてしまった。そして弥助は夜な夜な小豆荒いとなって化けて出てきた。話を聞いた後、西海は狂気へと走る。西海を襲った恐怖の秘密とは!?


「白蔵主」 (季刊「怪」第壱号 平成十年三月刊)
 狐釣りの名人、弥作。彼は昔住んでいた場所へと向かう。昔、狐を狩りつづけ近隣の普賢和尚にいさめられたことを思い出す。さなか、弥作はおぎんと名乗る女と出会う。普賢和尚の住む宝塔寺に盗賊の頭目があらわれ代官所入り乱れ捕り物になっているという。弥作は過去に何を? 宝塔寺の秘密とは!?


「舞 首」 (季刊「怪」第弐号 平成十年五月刊)
 普段はおとなしいが女癖が悪く山刀を持っては女をかどわかしつづける山に住む鬼虎の悪五郎。人殺しがやめられなく、その性で江戸を追われ、転々としながらも人を斬りつづける又重郎。やくざ者達の親分で欲深い黒達磨の小三太。彼ら三人が同じ土地で出会ったときに、彼らの生首は舞はじめる。この事件に隠された背景とは!?


「芝右衛門狸」 (季刊「怪」第参号 平成十年九月刊)
 皆に慕われる正直者の百姓、芝右衛門の孫娘がさらわれ殺された。悲嘆に暮れる芝右衛門の元に狸があらわれ、彼のもとに通い始め、ある日人間に化けて芝右衛門と語り始める。また別の所で、人形遣いの市村松之輔がとある城代から人を一人京都まで預かってもらいたいと、若侍と共のもの達を預かることに。しかしその若侍はある奇行があり・・・・・・


「塩の長司」 (季刊「怪」第四号 平成十一年二月刊)
 元は流れ者だった男がかいがいしく働き、先台に認められて二代目の馬飼いに。そして彼は馬扱いと商才によって馬飼長者と呼ばれるまでに。さらに彼は心神深く、聖人君子として人々から崇められる人となる。しかし彼にも一つの闇があり、十二年前に盗賊に家族を皆殺しにされていた。そしてその日から彼は・・・・・・


「柳 女」 (季刊「怪」第五号 平成十一年四月刊)
 柳屋という大きな柳の下に建つ旅籠がある。代々旅籠は栄えており、現在の当主、宗右衛門の代になってもそれは変わらない。しかし、宗右衛門は子宝に恵まれず、妻も四人目となるがいずれも流産、事故などで子供が死に妻は気がふれるということが起きた。親戚一同はそれを柳の木の祟りだと・・・・・・。そして宗右衛門は五人目の妻を迎えようとする。


「帷子辻」 (書き下ろし)
 次々と辻の真中に腐乱した女性の死体が放置されて行く。一人目は与力の病死した妻の攫われた死体が数日後に、二人目は絞殺された芸妓、三人目は絞殺された下女、そして花屋の女性が首吊り自殺を・・・・・・。隠されたある者の悲しき思いとは?





内容・感想へ戻る