一言、二言

 2003年8月31日  マキャモン10年ぶり
 今月の目玉の1冊はなんといってもロバート・R・マキャモンの10年ぶりの作品。
 「魔女は夜ささやく」(文藝春秋 上下巻)

これである。「遥か南へ」が翻訳されて以来、なかなか翻訳作品が紹介されないと思いきや、なんと10年間本当に書いていなかったらしい。満を持して出てきた作品、これは今年中に読んでおくべき本であろう。

 なんだけど・・・上下巻ハードカバーなのはわかるのだが、それぞれがなんと2,667円。これは高い! そりゃあ、当然版権の問題とかがあるだろうから高くなるのは仕方ないのだろうけど、この値段では一般の読者を遠ざけてしまうのではないだろうか。ファンでなければ文庫落ちを待つ人も多くなってしまうだろう。
 しかし、それを巻き返す方法はただ一つ。強烈におもしろければよいのである。ということを期待しつつ、とりあえず今は積読へ(今年中に必ず読みます)。


 2003年8月30日  1500
 カウンターが1500を超えた。
 去年このHPを始めてから約一年で1000であったことを考えると今年はなかなか早いペースである。今年になって他のHPの企画にちょくちょく顔を出したりと、行動範囲を広げていった結果であろう。
 もしくはHPを更新したときに確認のため、自分でHPをちょくちょく覗いていたせいなのかもしれない。
 自分に一番人気があるページというのも・・・


 2003年8月27日  チェスタトン
 このコーナーの更新も結構間を空けてしまった。毎日は更新するつもりもないのだが、もう少し頻繁に更新したいものだ。書くネタもないわけではないのだが、どうしてもパソコンを立ち上げるよりは本を手にとってしまう。

 先週、チェスタトンの「奇商クラブ」を読了。
 これでチェスタトンの日本で出版されている本はひととおり読んだようである。ブラウン神父のシリーズはだいぶ前に読んでいたので再読し、それ以外の作品は初めて読んだ。やはりその中でも一番と思えるのは「ブラウン神父の童心」である。これは海外のミステリー短編集の中でも私にとっては一、二を争う作品である。
 今回作品を再び読んでみて、昔読んだときよりも深みを感じたような気がする。チェスタトンの作品は若干話が難しくも感じられるので、一回読むだけではなく、何回か読んでかみしめて読んだほうが良いように思える。今回、初めて読んだ作品もまた繰り返して読めば違った印象を感じ取れるかもしれない。これは何年おきかに一編読み直すべき本であろう。次回読むときが楽しみである。


 2003年8月19日  江戸川乱歩賞
“屍鬼日記”もようやく終わったところで、たまには“一言、二言”のほうも更新しなくては。

 今さらながら今年の江戸川乱歩賞の話題を。今年の受賞作はこの2作。
 「翳りゆく夏」  赤井三尋
 「マッチメイク」 不知火京介

 乱歩賞作品については年によって買ったり、買わなかったり。近年購入したものでは平成13年の「13階段」、その前は「破線のマリス」といったところ。あとは文庫化するのを待って購入。来月には平成12年の「脳男」が文庫化されるので購入しようと思っている。
 また昔の作品については講談社文庫から“江戸川乱歩全集”として現在出版されている。

 そんなところで今年の購入はどうしようか、見合わせようかと思ったのだが、見逃せない一冊があった。それは「マッチメイク」。この内容がプロレスの世界を背景に描いたミステリーというのだから逃すわけにはいかない。“マッチメイク”と聞くと、元新日本プロレスのレフリー、ミスター高橋が書いた本で「マッチメイカー」とうものがある。気になって調べてみると「マッチメイク」の参考図書の一冊として挙げられていた。やはりその辺の内容を意識したものなのであろうか。これは楽しみな一冊である。プロレスファン必見!


 2003年8月13日  Style Sheet 化も一段落
 6月にリニューアルして以来の HP の Style Sheet 化もようやく完成することができた。Link が飛ばなかった場所なども気づいたところは直していって、ところどころ手も加えたつもりである。あとは細かいところは気づいた都度、直していくことにしようと思う。
 とりあえず、一通り手をいれたものの、HP 全体を見渡すとまだまだ完成度が低いなぁと感じられる。著者の履歴などもあまり書いていない部分もあるし、もっと手を入れていかないとと改めて反省するしだいである。当 HP は去年から始めたのだが本当は完全に出来上がってから公開しようと考えていた。しかしそのように考えていたらいつまでたっても公開できるはずもない(実際公開する一年以上前からフォームは作り始めていた)。よって、とりあえず公開して、その都度変更をかけて改訂していけばいいと考えて公開に踏み切ったのである。今ではそうしてよかったと思っている。
 自分の納得いくまでのものに本当になるのかどうだかわからないのだが、それに徐々に近づけていければいいと思っている。だからこそ長く続けられればいいなぁと考えているのだが、さて、いつまで続くことだろうか?


 2003年8月12日  ミステリーランド  その3
「くらのかみ」も読了し、3冊全部読むことができた。今回の3作品のなかでは、「くらのかみ」が「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」というコピーにふさわしいのではないだろうか。確かに大人も子供も楽しめる一冊であった。

 さて、今回は内容とは別に挿絵という点からこのミステリーランドを見てみたいと思う。今回の3作品の挿絵はそれぞれ、

「透明人間の納屋」 島田荘司著  絵:石塚桜子
「子どもの王様」  殊能将之著  絵:MAYAMAXX
「くらのかみ」   小野不由美  絵:村上勉

 となっている。このうち村上勉氏の絵というのは児童書などで拝見したことがあるような気がする。このような本の挿絵としてはオーソドックスであるといえるだろう。ただし、人物の手の握りが微妙。これは著者の作風なのであろう。
 MAYAMAXX(マヤマックス)氏の挿絵は子どもが描いた絵というような雰囲気のものになっている。ある意味幼稚ともとれないことはないのだけれども、殊能氏が書く内容の生々しさとうまくマッチしているともいえるだろう。
 そして石塚氏の挿絵なのだが本の内容には実にマッチしているといえるのだが・・・怖い。はっきりいって怖い。大人の私が見てもそう感じるのだから子どもが見たらどうだろうという気はする。へたに小さな子が見たらミステリーというのは怖いものであると思い込んでしまうのではないだろうか。いやはや、これは実際に子どもの意見も聞いてみたいものである。

 というような感想等を感じながら読むことができたのだが、それなりに楽しみなシリーズであると思っている。他の作家陣たちが「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」という歌い文句のもと、どのような作品を書くのか興味津々である。
 次回は3ヶ月後となるようであるが一体誰の本が出版されるのであろうか?


 2003年8月11日  光文社文庫 江戸川乱歩全集
 いよいよ今月から光文社文庫による江戸川乱歩全集が刊行される。全30刊の予定だそうだ。
 今月はまず2冊。
 第04巻 「孤島の鬼」 と 第10巻「大暗室」

 これらは表題作だけではなく、短編等も含まれる構成になっている。特に第10巻は「怪人二十面相」が収録されている。これは私にとっては小学生のポプラ社による単行本以来である。読むのが本当に楽しみだ。

 江戸川乱歩全集といえばすでに他の出版社からも刊行がなされている。近年では東京創元社がまだ続けているのだろうか。私は東京創元社版で集めようかどうしようかと迷いながら、歯抜けで何冊か購入してきた。残りは古本屋ででも集めようかな、と考えていた矢先のできごとなので、これは光文社文庫版にてそろえるしかない。

 本棚に並べるのが楽しみだ(読むのは後)。


 2003年8月9日  アンドリュー・ヴァクス
 アンドリュー・ヴァクス著の「グッド・パンジイ」(ハヤカワ文庫)購入。
 したのはいいのだが・・・
 本書はアウトロー探偵バークのシリーズものであり本書が12作目となる。ただこのシリーズは最近ハードカバーで出版されたり、文庫で出版されたりとばらばらなのである。私はこのシリーズは文庫で読んでいたためにハードカバーで出ても文庫化を待ってから買うようにしていた。そうしたら、何作かが文庫化されないうちに新作が文庫で出てしまったのである。とりあえず、新作が文庫で出版された時点ですぐに購入したのだができるだけ時系列順に読みたいので積読の状態となっている。そういうわけで、この「グッド・パンジイ」の前に文庫化されている「セーフハウス」と「クリスタル」の2冊がまだ手付かずのままである。

 よって「グッド・バンジイ」は積読図書決定!
 早くシリーズ文庫化してくれい。


 2003年8月6日  ミステリーランド  その2
「透明人間の納屋」 島田荘司著 読了
「子どもの王様」  殊能将之著 読了
「くらのかみ」   小野不由美 読書中

 という具合に現在ミステリーランドの読書が進んでいる。今のところのシリーズの感触では
「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」
という歌い文句はどうであろうかと疑問に思う。

「透明人間の納屋」は特に読み手の年齢層というものを考えていないように思う。結局は島田氏が普段書く通常のミステリーである。さらに付け加えるならばこれは出来がいいのでミステリーファンは必読といってもいいであろう。
「子どもの王様」は年齢層を下げようと考えて作られたミステリーのように思えるが失敗だったのではないだろうか。子どもが読むには若干重い内容である。かといって大人が読む内容にふさわしいとも思えない。かえって中途半端になってしまったように感じる。
「くらのかみ」はまだ途中なのだがこちらは少年少女が読んでもおかしくないと思えるもののようである。怪談という内容がこの時期にも合っている。

 しかしながら子どもも対象にしているかのように思えたのだが、どうしてこうもミステリー作家が書くと話が暗くなってしまうのだろうか?


 2003年8月3日  ミステリーランド
 講談社から出版された新シリーズ「ミステリーランド」をようやく書店にて発見。先週から探していたのだが、発売日が延びたり、本屋のどの辺に置いてあるのか予想がつかなかったりということでなかなか見つけることができなかった。本屋に並んだのもこの週末あたりにようやくといったところではないだろうか。
 さて、この本を手にとってみた感想はというと“なんか中途半端”といいたくなる。どういった層を対象にした本なのだろう。小中学生を対象にするのであるなら値段が高いようにも思えるし、大人を対象とするには字が大きい。あと、この箱入りという装丁も微妙に感じる。それにしてもこの値段は高すぎやしないだろうか?
 箱なしで300円くらい安くなるのならば箱なしで売ってもらいたい。


<追記>
 さっそく島田荘司著「透明人間の納屋」を読んでみた。字が大きいので2時間くらいで読むことができる。感想はというと、いや、面白い。島田氏の本にしては中編くらいの量で、少々ライト系かもしれないがかなり面白く読めた。
 ただし一言付け加えておけば、これは絶対大人向けの本。大人が子供に読ませるような本ではないと思う。




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