一言、二言

過去の一言、二言
 2003年12月29日  今年最後の更新
 今年もたくさんの本を読むことができたなぁ、と考えながら1年を締めくくりたい。
 ただし、そのたくさんの本を読んだというのは主に今年出版された本のこと。今年はあまり積読本を読むことができなかったというのが残念なところか。新年始まったときにはこれは今年中に読もうと思って手を付けなかった本がかなりある。最初はその本を抜き出してここに書こうと思ったのだが、かなりの数になってしまいそうなので断念。来年はある程度積読本も読みこなして行きたいものである。
 あとはSF小説をもっと読みたい。これが一番の目標でもある。わざわざ買ってこなくても家にある本を読むだけでも十分。SF本を月に2冊以上は読みたいものだ。

 というわけで、2003年の更新はこれでおしまい。このHPの恒例にしようと思っている年末ランキング2003ベストミステリをUP。2004年の更新は1月の4日か5日くらいを予定。

 それではこのHPを見にきていただいている皆さん、よいお年をお送りください。


 2003年12月25日  「幻の女」ついに
 「幻の女」 香納諒一 (角川文庫)  購入

 ついにこの本を手にとることができた。一時期、香納氏の本は単行本で買っていた。「梟の拳」「ただ去るが如く」「雨の中の犬」と。それにもかかわらず、この「幻の女」はなぜかスルーしてしまった。もちろん売っていたのを知っているにもかかわらずだ。
 そしてその年の後半、この「幻の女」がランキング等で高く評価され、日本推理作家協会賞まで受賞してしまう。買いたい気持ちを抑えつつも、すぐに文庫化されるだろうと思いつづけて、長い月日がたった。そして5年の時を経てついに文庫化! ようやく手元に「幻の女」が!!
 もう手に入っただけでも満足である。読むのはまた来年だ。来年中には絶対読む。


 2003年12月22日  スタージョン
「不思議のひと触れ」<奇想コレクション> シオドア・スタージョン 河出書房新社

 このシリーズは本当に装丁がいい。見ただけで思わず手に取ってしまいたくなる本。ちょうど今、<奇想コレクション>一冊目の「夜更けのエントロピー」を読んでいる。まだ途中までだけれど、このシリーズはかなり楽しませてくれる予感がする。

 今年の反省点はなんといっても、こういったSF小説をあまり読まなかったということである。家にかなりの本が積読となっている。昨年読んだ「ハイペリオン」の続編の「エンディミオン」。ロバート・ソウヤーの本各種。その他色々。
 来年は週に一冊は無理にしても、月に2、3冊は読んでいきたい。面白い本がまだまだあるはず。
 HPのSFの部分をもっと充実させたい。

 時間がいくらあっても足りない。


 2003年12月20日  天気なぞは関係なく
今日もあれこれ購入
「豆腐小僧双六道中」 京極夏彦(講談社)
「バルーン・タウンの殺人」 松尾由美 (創元推理文庫)
「九時から五時までの男」 スタンリイ・エリン(ハヤカワ文庫)
「名探偵ベスト101」 村上貴史編(新書館)

 先月に続いての京極氏の新刊。なんとも豪勢だ。しかしこの本、また変わった形をして・・・。実際読んでみなければ持ちやすいのかどうかはわからないが、本棚に並べにくそうなのは確か。本当にサイコロみたい。

「バルーン・タウン」は昔から聞いたことがあった本だったのだが、手に取るのは初めて。これはかなり楽しみにしていた本だ。SFチックな設定の中でのミステリ短編集。

「九時から五時までの男」はハヤカワ・ポケミスですでに読んでいるのだが、つい買ってしまった。しかし、感想を書いていないのでもう一度読んでみるというのもいいかもしれない。遠い未来の話だが。

「名探偵ベスト101」。本当に自分はこういう本が好きだなぁと呆れてしまう。売っていたらそく、飛びついて買ってしまう。内容は最初に紹介されている探偵はオルツィの「隅の老人」。そして最後は乙一の「GOTH」に登場した“僕”。といったところだ(←これじゃぁ全然わからない)。

 今は、今年度のベスト10を決めるべく、今年読んだ本の検討中。といっても、今年もまだまだ終わっていないので最後の最後まで読んでみるつもり。といっても、今読んでいる最中のデニル・ルヘインの「シャッター・アイランド」あたりでおしまいかな。そろそろフォームにまとめなければ。


 2003年12月17日  年に一度の・・・
 今日は買うつもりのなかった、
「クリスマスローズの殺人」 柴田よしき (原書房 ミステリー・リーグ)
を買ってしまった。本屋に行って、新刊が出ていないと、つい余計に買い物をしてしまう。まぁ何はともあれ買ったんだから読んでみよう。ミステリー・リーグといえば「アノニマス」をまだ読んでいなかった。そろそろ読まねば。とかいいつつ、来年か!?

 あと、これは買わなかったのだが、
「10センチの空」 浅暮三文 (徳間書店)
が売っていた。しかし、ミステリーではなさそうなのでスルー。

 そしてもうひとつ、本日の購入品は「週刊文春」。普段、この雑誌は買っていないし、読んでもいない。しかしこの時期には、そう、年末恒例の“2003ミステリーベスト10”が載っているので購入している。
 ランキングを見て感心するのが、最近は文藝春秋がいい本をだしている。もともといい小説をだしているのだろうが、本格ミステリ・マスターズを始めた事により、ミステリー面でも強化されてきたと思う。また、海外ミステリーも最近は文藝春秋がリードしているのではないだろうか。結構、いろいろな掘り出し物をここ数年目にしているように感じられる。
 一昔前は海外のミステリーといったら、東京創元社と早川書房が大きな割合を占めていたように思える。しかし、近年は文藝春秋や国書刊行会、晶文社、扶桑社などの活躍が大きく目立つようになっている。
 他の出版社もこれに負けじと頑張ってもらいたいものだ。あんまり買う本が増えすぎても困るのだが・・・


 2003年12月16日  本日はカッパ・ノベルス
「殺しはエレキテル」 芦辺拓 (カッパ・ノベルス)
「アクロイド殺し」 アガサ・クリスティー (ハヤカワ クリスティー文庫)
以上を購入。

 あれ、芦辺氏の新刊は今年初!? 文庫で読んだものとかがあったので、てっきり何冊も出していたイメージがあったけど・・・。
 芦部氏といえば、ミステリーを中心に読んでいる人であれば知っている人は多いであろう。しかし、一般に知られているかというとそうでもないと思う。そろそろ一般的にもブレイクしてもらいたいものだけど・・・今年の歌野氏のように。その芦辺氏といえば、来年1月には本格ミステリ・マスターズから本が出る。ものすごく期待! 2004年は芦辺氏の年になるか!?

 有名作品、「アクロイド殺し」。もちろん、すでに読んでいるのだが、そろそろ読み直してもいい頃かもしれない。いや、もう当然犯人は知ってるんだけど。2004年はクリスティーを1月に1冊は読みたいなぁ。


 2003年12月13日  ルヘイン派? レヘイン派?
本日の購入
「モーツァルトの子守歌」 鮎川哲也 (創元推理文庫)
「牧逸馬の世界怪奇実話」 島田荘司編 (光文社文庫)
「甲賀三郎探偵小説選」 論創ミステリ叢書3 (論創社)
「シャッター・アイランド」 デニス・ルヘイン (早川書房)
「ヤミツキ! 探偵ミステリー読本」 (ぶんか社)

 創元社による鮎川氏の<三番館シリーズ>完結編(全6冊)。まだ一冊も読んでいない・・・しかも出版芸術社からのものも買っているし・・・。どちらで読もうかな・・・

 島田氏の名前につられて買ってしまいました。とはいうものの、内容はとても興味深く、「切り裂きジャック」等の実際の事件について詳しく書かれた本。私が興味あるのは「マリー・セレスト号」事件。これは資料にはもってこいの本だ!(そういって読まないんだよなぁ)

 早くも出た! 論創ミステリ叢書の3冊目。このシリーズを購入している理由はこの甲賀氏の作品を読みたいと思ったから。有名作家にもかかわらず、実はまだこの人の本を読んだことがない。勉強させていただきます。

 ルヘインなのか、レヘインなのか? これぞ、今年最後のビッグネーム。しかも巻末は袋綴じになっているから、さぁ大変。今年中にこの袋綴じの部分が破かれるのを望むばかり。いや、これだけは絶対に読む!

 最後のものはガイド本。これはアンダー・メフィスト世代ということで若い作家がとりあげられている。通常ではあまりとりあげられない作家が載っているところがミソか。浅暮氏や東川氏の本人写真付インタビューは目玉。

 あと今回スルーしたのが、原書房ミステリー・リーグ。早くもセカンドシーズンになってから4冊目。こちらは柴田よしき氏の作品であった。ミステリー・リーグで柴田氏の作品は2作目なのだが、1作目も読んでいない。なんとなくだけど、購入見送り。また機会があればということで・・・


 2003年12月11日  今日はいいもの手に入りました
本日も本屋へ行ってきました! 「ミステリーズ Vol.3」 東京創元社
「消えた女官 グイン・サーガ外伝18」 栗本薫 ハヤカワ文庫
「タイムライン 上下」 マイクル・クライトン ハヤカワ文庫
「J's ミステリーズ KING&QUEEN 海外作家編」 相川司+青山栄編 荒地出版社

 昨日買えなかった「ミステリーズ」買いましたー。買っているだけでーす。読んでませーん。本棚に並べてまーす。はい、以上。

 そして次はグイン・サーガ外伝。グイン・サーガは全て買って読んでいる。いちいちここに載せることもないのだが、今回は違う!
 なんと副題が“マルガ離宮殺人事件 アルド・ナリス王子の事件簿1”。確かに栗本氏はミステリーの書き手でもあるのだが、だからって・・・。たぶん、心の底から書きたかったんだろうな。思わぬところにもミステリーはころがっている。

「タイムライン」はハードカバーで出版されたときに話題になったので買った本。今年はSFをあまり読まなかったなぁ。反省。なるべく早く読みたいがたぶん積読。

 そして今日お薦めの本がこれ!「J's ミステリーズ KING&QUEEN 海外作家編」これは去年国内作家編も出ているので買ってない人は合わせてどうぞ。ちらっと見ただけでも、推理小説古今東西満載の本。本当にこれ一冊あればガイドブックとして申し分ない。ここに載っている本全て探すというのも一興である(たぶん無理というほど満載)。
 また、何より面白いコーナーが絶版本で現在高価なものは? というのが書かれている部分。これはマニアにもたまらない。是非ともこれを参考に探してみたい。まぁ、ちょっとやそっとでは見つからないから高いんだろうけど。
 年末はこれ一冊で年を越せること間違いなし!!


 2003年12月10日  買えなかった・・・
 今日は予定では色々な本が出版されるはず。喜び勇んで本屋へと出向いたのだが・・・・・・撃沈。
 これでもかというくらい出ていなかった。
 なぜ? なぜ? 出版日は10日じゃあなかったのか・・・やはり自分が住んでいるところでは発売日から1日くらい遅らせたほうがいいのだろうか。失意に嘆きながら帰宅することに・・・

 そんな失意に涙あふれる中、購入した本は
「女を逃がすな」 都筑道夫コレクション<初期作品集> 光文社
「千年の黙(しじま)」 森谷明子 東京創元社
「小説現代増刊号 メフィスト 1月号」 講談社

 光文社文庫から出版された都筑道夫コレクションが本書によって堂々完結。これはすばらしいコレクションだ。まだ1冊も読んでいないが・・・・・・もちろん読みますよ。必ず読みますとも。いつになるかはわかりませんが。これが今日唯一買えた予定していた本。

 次の「千年の黙」であるが、これは「2004 本格ミステリベスト10」の国内30位までの本の中で唯一読んでいない作品。12月3日の日記では買わなくてもいいかな、と書いた。しかし、出版されるべき本が見つからないという失意にくれているときに、偶然この本が平積みになっているのを見つける。しかもかなり状態の良い本である。これは・・・・・・気がついたら手にしていた。なんだったら、今日から読むというのも一興かも。

 そして「メフィスト」。実は「メフィスト」は普段買っていない。ただ、今日目にした「メフィスト」はいままでのものと装丁が変わっていた。しかも今日買うつもりであった「ミステリーズ」(東京創元社)が置いていない。「メフィスト」を手にとり表紙をめくってみると、講談社の雑誌なのになぜか東京創元社の「ミステリーズ」の広告がある。「ミステリーズ Vol.3」12月12日発売。今日じゃなかった・・・
 気がついたら、そのまま「メフィスト」を持ってレジへ。世の中こういうこともある。
 ちなみに「ミステリーズ」はVol.1から購入したので、買い続けているだけで読んでいるわけではない。
 ちゃんちゃん。


 2003年12月9日  このミスの余波
今日の購入本
「江戸川乱歩全集第12巻 悪魔の紋章」 光文社文庫
「とりあえずの殺人」 赤川次郎 光文社文庫
「疾 走」 重松清 角川書店
「グロテスク」 桐野夏生 文藝春秋

 今回の江戸川乱歩全集収録作は「少年探偵団」「妖怪博士」「悪魔の紋章」。「少年探偵団」は懐かしい。「怪人二十面相」に続いて本当に読みたかった一冊である。これだけでもすぐに読みたい。また「悪魔の紋章」は確か「三重指紋」とかいうようなタイトルで昔、本で読んだり、ドラマで見たりしたことがあるような気がする。そんなことを考えていたら益々これも読みたくなってきた。とはいうものの、江戸川乱歩全集もすでに結構たまっている。

 赤川次郎氏の作品を買うのは久しぶりだ。以前は文庫で多くのシリーズものを集めていた。今回、ふと買う気になったのが、このタイトル。赤川氏の作品のなかで名作にあげられる、「ひまつぶしの殺人」、その続編の「やり過ごした殺人」というものがある。この2つはシリーズであるが、なかなか続刊が出なかった。そしてもう忘れていたのだが、今回見つけたこの「とりあえずの殺人」が第3作目にあたる。ちょうど私はこのシリーズを光文社文庫で買っていたので今回購入したしだい(とはいうものの、まだ家にあったっけ?)。本書はすでに2000年7月にカッパ・ノベルスから出版されていた模様。懐かしさをかみしめながら読んでみたいと思う。

「疾走」と「グロテスク」は“このミス”ランキングを見て購入した本。どうするか迷っていたけれど、結局買ってしまった(なぜか本屋では迷わずに購入)。「疾走」の重松氏の本はこれが初めてとなる。ただし本書は普段の重松氏の本とはかけ離れているらしいが・・・。とはいえ、読むのが楽しみである(とかいいつつ、しばらく積読)。
 桐野氏の本は「OUT」は「ファイアボール・ブルース」などは面白く読ませてもらった。しかし、私立探偵ミロのシリーズや「柔らかな頬」は私にはあまり合わなかったので、最近桐野氏の本を手にとることはなかった。本書はシリーズものではないし、「東電OL殺人事件」に触発されて書かれた本ということで興味もわいてきたので購入してみた。これを読むことによって、また桐野氏の本に対するスタンスも変わるかもしれない。

 明日の10日は新刊がいろいろと出る日のはずである。今日、購入できなかったものもあるので、明日もはりきって本屋をまわろうと思う。(そうして積読は年を越えてたまっていくのである)


 2003年12月8日  このミス2004 続き
「このミステリーがすごい! 2004年版」 についてもう少し

「このミス」での楽しみの一つに「人気作家による私の隠し球」というコーナーがある。各作家が2004年の予定について語ってくれるコーナーだ。しかし、このコーナーも同時期に原書房から出版されている「本格ミステリ・ベスト10 2004」の同様のコーナーとだぶるようになってしまった。異なる作家が出ていたり、違うことを書いている人もいるのだが、やはり何とかするべきではないだろうか。
 で、このコーナーからいくつか。
 来年度も出版が危なそうな作家ベスト3は綾辻氏、法月氏、麻耶氏といったところ。これは例年変わらず。それでも綾辻氏は「暗黒館」なんとかなるかも? という気もするし、麻耶しは短編が出版されそうだ。一番危険なのはやはり法月氏か。とはいえ、いちおう「生首に聞いてみろ」について触れているので、やはり期待はしたい。
 順当そうなのが、芦辺氏、二階堂氏、そして今年入院したにもかかわらず5冊も出している横山氏。
 そして2004年に期待しているのが香納諒一氏。最近、とんと新作長編が出ないので心配していたのだが、2004年には拝めそうである。
 さてさて、2004年末にはここに書かれたことがどのようになっているかが楽しみである。

 そしてもう一つ「このミス」目玉のコーナーといえば、ミステリー界批評のコーナー。年によっては物議をかもし出しているコーナーであるが、思ったことをズバッと言ってのけるのは読んでいて溜飲がさがる。今年は「ミステリー長屋」と題してあれこれと語られている。
 ただ、このコーナーにていつも気になっているのが宝島社の本については全く触れられていないという事。今までの年を振り返れば、確かに話題に上るような本が宝島社から出版されていなかったということもあるかもしれない。しかし、今年から出版が開始された「このミス大賞」の本があるにもかかわらず、全くと言っていいほど触れられていない。
 今回このコーナーで“ミステリー長屋式賞金配分”というのが行われているのだが、その中で一番賞金が多く設定されたのが「人形」(ホラーサスペンス大賞受賞作)。そして2番目に位置するのが、このミス大賞の「四日間の奇蹟」。と評価するのであれば、もう少しこの賞に対してここでコメントしてくれてもいいと思うのだが・・・。逆にコメントしないところに???という感触がつきまとう。

 最後に付け足しておくと、第2回「このミステリーがすごい大賞」は
 「パーフェクト・プラン」 柳原慧氏 に決定。

 2004年の1月に発売予定である。大賞作くらいは買っておこうかな。
といったところで、以上「このミス」についてはここまで。


 2003年12月6日  このミス2004
「このミステリーがすごい! 2004年版」 宝島社  発売!

 予定では来週だと思っていたので、今日手に入るとは思ってもいなかった。
 12月は例年、新刊の出版点数が少ない。よって、本を購入する機会がへるはずなのだが、「このミス」などのランキングにのっているものの中で落としていたものを買いあさるので結局たくさん本を購入するはめになる。先日出版された「本格ミステリ・ベスト10」のほうはジャンルを本格推理に絞っているので、ほとんどの本はすでに既読であった。しかし、「このミス」はエンターテイメント全般から選ばれているので読んでいない本は多い。それではここで、年末の購入リストを挙げてみたいと思う。

<国内編>
 ベスト10内では「流れ星と遊んだころ」連城三紀彦と「ワイルド・ソウル」垣根涼介を最近購入してきた。他に読んでいない本はと言うと、「終戦のローレライ」福井晴敏。これは買ったのに読んでいない。積読の予感はあったのだが、結局年内は無理そうだ。来年のうちに読めるだろうか。せめて文庫化する前には読みたい。あと、「グロテスク」桐野夏生。最近、桐野氏の本は読んでいない。以前は結構読んでいたのだが・・・。文庫になったら読んでみようかな。

 11以下で気になったものは、「疾走」重松清。この作家の本は読んだことがない。内容はかなり暗そうで少し躊躇しそうだが、いちおう覚えておこう。「太平洋の薔薇」笹本稜平、「GMO」服部真澄、あたりは冒険、謀略小説ゆえにパスしておこうかな。どちらもハードカバーで上下巻だし。「汚名」多島斗志之には興味がある。文庫で読んだ「症例A」はおもしろかった。とはいうものの、やはり文庫待ちにしておくか。

 国内はそんなところ。特に買っておこうというのはあまりないかな。でも魔が差して、「グロテスク」と「疾走」あたりを買ってしまうかもしれない。

<海外編>
 ベスト10内で読んでいないのは2冊。まず「サイレント・ゲーム」リチャード・ノース・パタースン。ただしこれは法廷物。過去にも「このミス」で法廷物がランキング内にあがることは多々あるのだが、あまり触手が動かない。たぶん読めば面白いのは間違いないのだろうけれども・・・これは相性かもしれない。いちおう考慮しておくか。ただし、値段がちょっと高め。あともう一冊が「ボストン、沈黙の街」ウィリアム・ランデイ。これは今日さっそく買ってきた。文庫なのでお手軽と言うことで(とはいっても1,000円したが)。どうやら新人作家のようである。

 11位以下では「魔性の馬」ジョセフィン・テイを今日、購入。買おうかどうしようかもともと迷っていた本だったのだが、これを機に購入。読んでいない本は他にも結構あるのだが、気になったのは「憤怒」G・M・フォード、「リガの犬たち」ヘニング・マンケル。このあたり。買うかどうかはわからないが、あとは本屋で実物を見て決めようと思う。

 買い落としたと思うような本は少ないので、年末はあまり買わないですむだろう。とはいうものの、本屋に並んでいるとつい、欲しくなったりしまうこともある。結局どうころぶかは微妙なところ。
 後日余裕があれば、「このミス」の他のコーナーにも触れたいと思う。


 2003年12月5日  京極新刊
「後巷説百物語」 京極夏彦 角川書店
「百蛇堂」 三津田信三 講談社ノベルス
「ワイルド・ソウル」 垣根涼介 幻冬舎
「ミステリー迷宮読本」 洋泉社
以上、購入本

 今年出た京極堂シリーズに続き、百物語シリーズまで年内に間に合った。ただし今作品は舞台は明治の時代とのこと。どんな絵巻を見せてくれるのか楽しみだ、と言いながらも年内の読了は難しいかもしれない。この分厚さにちょっと躊躇。
「百蛇堂」は9月に出た「蛇棺葬」と関連しているの本。どのように関連しているのかは読んでみないとわからない。ちょっと分厚いがこれは今年中に読んでおきたい。
 とある本屋に「このミス2004」のランキングが掲示され(なぜか国内のみ)、その図書が並べられていた。その中で全くマークしていなかった一冊が「ワイルド・ソウル」。幻冬舎から出ているのですぐに文庫化されそうだから待ってもいいかなと思ったが、ついつい購入。まぁ、来年にでもゆっくり読もう。たぶん。

 そしてミステリー小説ガイドである「ミステリー迷宮読本」。これは今月出たばかりのもののようだ。類似品が多いのでタイトルだけではわかりにくいと思うが、表紙にちょっと怪しい金田一耕介が描かれているのでぜひ目印にしてもらいたい。パラッとめくってみたかぎりなのだが、かなりの作品を分類別に網羅している。これは指南書としてなかなかよさそうなのでは。
 あと、スペシャルインタビューとして、京極夏彦氏、貫井徳郎氏、戸梶圭太氏、西尾維新氏、五十嵐貴久氏。さらに清涼院氏の書き下ろし短編「必殺M」が掲載。


 2003年12月3日  おっ、乙一の新刊!?
「殺意のシナリオ」 ジョン・F・バーディン 小学館
「失はれる物語」 乙一 角川書店
「2004本格ミステリ・ベスト10」 原書房

「殺意のシナリオ」は小学館ミステリーからの新刊。このシリーズには目を付けていないのだが、この著者バーディンの既刊「悪魔に食われろ青尾蝿」を読んでいたので本書のみ注目していた。「青尾蝿」のほうは、かなり変わったサイコミステリーという感じだったが本書はどうであろうか。
 とうとう乙一の新刊だ! と思ったらこの短編集、過去に角川スニーカー文庫で発表したものから何作かとりあげただけのもの。とはいうものの、1編だけ書き下ろし「マリアの指」(100ページ近い作品)が入っているので思わず購入。見事、商売戦略にはまっていますな。カバーが凝っているので一見の価値あり。

 そして原書房からの「2004本格ミステリ・ベスト10」。なにやら1位が「このミス」とかぶっているとの情報を聞いていたが、なるほど確かにかぶっている。私自身もこの作品は一押しなので、ある意味納得。
 国内のベスト30を見てみると、読み落とした作品は1冊のみ。いやはや、今年もよく読んだものだ。ちなみに読んでいなかったのは「千年の黙」 森谷明子(東京創元社)。ただ、これは古文を用いたミステリーなのでスルーしてもいいかな。今年の本格ミステリ・ランキングは飛びぬけたものはないものの、粒揃いといったところ。
 海外のベスト10ものっているものの、こちらも平凡な結果。海外のほうは案外、「このミス」あたりとかなりだぶるのではないだろうかと想像してしまう。
 あとひとつ付け加えると、本書にて一番ショックだったのが、恒例「ミステリ作家の近況」のコーナー。今年は長編が出るのかと期待していた法月氏の部分を読んでみると、長編の話に全く触れていない。来年の予定にも全く触れていない。こりゃぁ、2004年もトホホかな。



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