カブト虫殺人事件
The Scarab Murder Case   1930

 ヴァンスの元にエジプト探検の技術専門家のドナルド・スカーレットが駆け込んできた。博物館内でベンジャミン・カイルが死んでいると。一同現場に駆けつけると、そこには彫像によって頭を潰されたカイルの姿が。そして現場をみると、血のついた足跡や遺留品などが一人の容疑者を指摘していた。それは博物館の館長であるブリス博士である。

 さっそく地方検事マーカムと部長刑事のヒースはブリス博士を逮捕しようとするが、ヴァンスによって止められる。この犯人は痕跡を残しすぎると! ならば他の誰かがブリス博士を犯人に仕立て上げようとしたのであろうか?

 彼をとりまく人々は皆、怪しく見える。
 メリイト・アメン、ブリス博士の妻。彼女はブリス博士を愛しているが、いかんせん歳が離れすぎている。さらに死亡したカイルは彼女にも多額の遺産を残していた。
 ロバート・ソルヴィター、カイルの甥。彼はメリイトを慕っており、彼女も彼を慕っている。そしてカイルの死により彼も遺産を受け取ることに。
 アヌプ・ハニ、エジプト人でメリイトの保護者。エジプトで発掘するブリス博士を快く思っていず、メリイトの旦那としてはふさわしくないと思っている。挙動不審

 しかし彼らの誰にも決定的な証拠はないのだ。そしてなぜか、なかなか行動に移らないヴァンス。そんななか、不安になったブリス博士は逃亡を図ろうとするが警官によって阻止される。

 さらにその晩にはブリス博士がエジプトの短剣によって襲われる! いったい犯人は誰なのか? そしてヴァンスは何を待っているのか? もしくは狙っているのか? しかも、一同を嘲笑うかのように惨劇はさらに・・・・・・



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