ラグナロク洞
影郎村を訪れた、鳴海と二本松。
村に来た直後に教会の屋根から落ちてきた“十字架”に襲われ、“九重地蔵”の下敷きになっている女性を助け、崖から落ちた“八十島”という男を助けに行く。しかし、崖下の八十島は無事で、助けなど必要のない様子。消防団の彼は助けを呼んでくるために単身脱出し、残された鳴海と二本松は入り口が崩落した洞窟に閉じ込められてしまう。そして惨劇の幕はきって落とされた。
洞窟内には他の入り口から入ってきていた、丸谷老人、八十島の婚約者の香取つぐみ、日色由香の三人がいた。彼らが下ってきたエレベータ(教会の中に繋がっているという)のもとへ向かい、エレベータを待つと、中には血だらけの“来栖奈々子”という女子高生がのっていた。彼女は誰にやられたという問いに対して、二本松翔を指差して生き絶える。
日色はこの村の出身者であるが四年ぶりに戻ってきたという。前に村に来たときにはエレベータなどなかったといい、丸谷老人にここにしまわれていた銃と刀のありかを聞く。奈々子を殺害した凶器は拳銃のようであった。日色は四年前にここに来た後動と由井とともに祠に銃と刀があったのを見ていたという。
エレベータは何者かに壊されていて外に出ることができないので、彼らはいったん洞窟内に観光用地として設けられた部屋で休むことに。そして一同あつまったときに鳴海は皆の前でダイイング・メッセージ講義を始める。これは奈々子によって犯人候補にされた二本松をかばうためのものと、犯人に聞かせて罠にかけるためでもあった。
部屋で休んでいたとき、鳴海と二本松は丸谷に起こされる。日色の部屋から血が・・・・・・。ドアの一部をこじあけ中を見ると、日色由香が死んでいた。彼女のそばには“六道の玉”が落ちていた。この玉は教会においてあったはずだったのだが・・・・・・。さらに彼女のそばには血文字で「かけ」と書かれていたのだ。
一同、洞窟の影郎様が奉られている祠へいくと、そこには大学教授、史学博士の早乙女と名乗る男がいた。彼は昨日から一晩中、ここの中で調査をしていたという。そして日色を失い、早乙女を含めた四人は二日目の夜をどうくつですごすこととなる。
鳴海はその晩、二本松にここへ来たのは後動さんに村に来てくれ、という差出人不明の依頼の手紙を由井があけてしまって、それを見て、自分が行こうと思ったのだという。
疲れなどによって意気消沈して風呂につかっていた二本松翔の上から、突然由井が降ってきた。
風呂場に降ってきた由井は地上の部屋の暖炉から非常用はしごで降りてきたのだという。彼女は後動と一緒に影郎村に来たのだった。由井の話から鳴海は地上のペンションと地下の部屋はそれぞれ通じているのだと推測する。
そして鳴海は本格的にこの影郎村の正体を暴き始める。洞窟にまつられている影郎様。村に住む人たち。それらはすべてキリシタン信仰結びついていたのだった!!
さらに続く殺人事件! 殺されるべき者たちの謎。ダイイング・メッセージに隠された謎。地下に閉じ込められた彼らと、地上にいる後動とが再会したときに遂に事件の謎が全て暴かれることに!!
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