恩田陸  作品別 内容・感想2

蒲公英草紙   常野物語   

2005年06月 集英社 単行本
2008年05月 集英社 集英社文庫

<内容>
 東北の農村にて医師の娘として生まれ育った峰子。彼女達は旧家である牧村家の敷地のなかで暮らしていた。あるとき、峰子は牧村家の娘である病弱な聡子の話し相手になってもらいたいと頼まれる。峰子と聡子は互いに相手を気に入り、すぐに仲良くなる。そしてある日、牧村の家に親子4人の不思議な一家がやってきた。彼らは不思議な力を持つ“常野一族”と言われているそうなのだが・・・・・・

<感想>
 常野物語の第2弾。ということなのだが、前作とは完全に独立しているのでこちらだけを読んでも全く問題ない。本書は“常野一族”のルーツを語ると言うほどでもなく、“常野一族”のとある一家にまつわるエピソードが語られた一作というところ。

 本書はミステリでもSFでも伝奇でもなく、昔話という言い方が最も似合う作品と言えるだろう。のんびりとした農村にて平和に暮らす人々たちのなかに、ちょっと違った日常というか、酒の肴の話題になりやすそうな他所からの客人がやってきたという話。彼らの変わった能力により、現実が犯されるということは一切なく、ただ将来来たりうる厳しい現実がそれとなく突きつけるのみである。

 最終的には悲しいエピソードや、厳しい現実が突きつけられることとなるのだが、全体的にはどこか懐かしくやさしさを感じられる物語である。幅広く多くの年齢層の人たちに読んでもらいたい作品。


ネクロポリス   

2005年10月 朝日新聞社 単行本
2009年01月 朝日新聞社 朝日文庫

<内容>
 アナザー・ヒルという場所で行われる“ヒガン”という儀式。そこではその日に死者が戻ってきて、再会することができるのだという。今年もその儀式が行われる日が近づき、多くの者がアナザー・ヒルへと向かい始める。文化人類学者であるジュンも今回初めて“ヒガン”を体験するためにアナザー・ヒルへと上陸する。しかし、巷で起きていた“血塗れジャック”と呼ばれる連続殺人事件の犯人までもがアナザー・ヒルに入ったことにより人々は混乱することに。彼らがそこに到着したとき、入口の鳥居には死体が吊るされており・・・・・・

<感想>
 不思議な物語であった。「ネクロポリス」という題にふさわしい内容なのだが、舞台は和洋折衷ともいえるものが用意されている。基本的にはイギリスの片田舎を思い起こさせるような風景が広がっている。しかし、そこここに日本の文化が取り入れられているという不思議な様相を示している。鳥居だとか彼岸だとか、日本の言葉そのものが用いられているものもある。

“ヒガン”という言葉が示すとおり、死者が帰って来るという行事が行われる。ただし抽象的なものではなく、実際に死者が現れ、生きているものと触れ合うことが可能となっているのである。そんな不思議な舞台のなかで現実世界から持ち込まれた事件が起こり、事態は混乱していくこととなる。

 こういった設定のものを山口雅也氏あたりが書けば、ガチガチの本格ミステリ作品となるのだろうが、恩田氏の手によると物語的な要素のほうが大きくなる。ミステリ的な要素がないことはないものの、全体的には“アナザー・ヒル”という大きな舞台の中に全て組み込まれてしまったように感じられる。

 話としては結構陰惨な場面もあるものの、何故か全体を通して牧歌的な味わいの作品に仕上げられている。「ネクロポリス」という舞台のおどろおどろしさを感じさせながらも、片田舎的なイメージを崩さずに絶妙な物語の世界を最初から最後まで貫いている。暖かい物語と言っても決して過言ではないと思えるので、タイトルを見て敬遠してしまっている人は是非とも一読してもらいたい作品。


エンド・ゲーム   常野物語   

2006年01月 集英社 単行本
2009年05月 集英社 集英社文庫

<内容>
 拝島時子は両親が能力者という常野の一族では珍しい存在。ゆえに大きな力を持っていると言われている。時子の父は彼女が小さいときに行方不明となり、母ひとりの手によって育てられた。時子が大学生活を送っているある日、母親が倒れたとの連絡が入る。母は昏睡状態で、一族の手により何かされたのだと思われる状況。時子は常野の一族の“洗濯屋”と呼ばれる異能者・火浦とともに真相を探ろうとするのだが・・・・・・

<感想>
 恩田氏描く「常野物語」の3作目。3作目であるが、2作目の続きというわけではなく、1作目の短編のひとつに登場した母娘を主人公とした作品となっている。

 シリーズ作品ということなのであるが、この作品を読んでみると従来の“常野物語”からは脱却したような作品と感じられた。

 当然のことながら“常野”という一族について描かれているので、その特殊な能力を背景に描いているのだが、なんとなくこの作品ではその能力のありようを否定しているかのようにさえ思えた。

 と、そういうわけで今までのシリーズものというよりは、ただ単に家族の在り方というものを描いた作品という印象のほうが強い。“家族”というものを描く上で常野の背景を用いてみたという感じがして、今までシリーズ作品として読み続けてきたものとしてはなんとなく残念。

 さらに言えば、タイトルの「エンド・ゲーム」をどういう意味で用いているかはわからないが、なんとなくこの家族達の物語はここで終わり、常野一族の能力からの脱却という意味を持っているようにさえ感じられるのだ。

 今まで常野一族の能力に関しては、はっきりと説明せずに漠然とした形で表されていたように思えるのだが、今作ではなんとなく安易な方向へ走ってしまっているようにさえ思われる。今後も続いていくシリーズのようであるが、次作はどのような形で表されるのだろうか。次の作品あたりで、このシリーズの方向性もだいたい見えてくるような気がするのだが。


チョコレートコスモス   

2006年03月 毎日新聞社 単行本
2011年06月 角川書店 角川文庫

<内容>
 伝説の映画プロデューサーと呼ばれる芹澤泰次郎が新国際劇場のこけら落としのために、芝居を行うという噂が流れていた。しかも、その芝居に出演するキャストを決めるために極秘にオーディションが開かれているとも。実力派の若手女優、東響子は是非ともその芝居に出たいと思ったが、そのオーディションにはお呼びがかからず、友人の女優や後輩がオーディションに呼ばれていることを知り焦っていた。響子がそのオーディション会場に勝手に乗り込んだ時、そこで無名の女優・佐々木飛鳥と出会うこととなり・・・・・・

<感想>
 最近、恩田氏の本で面白いという作品に出会えず、そろそろ読むのを止めようかなと思っていたとき、既に購入し、積読となっていたこの作品を読むことに。読んでみると・・・・・・面白かった! 読むの止めなくて良かった!! まだしばらくは、恩田氏の作品を読み続けることとなりそうである。

 ただし、この作品、ミステリ小説ではない。演劇の世界を描いた演劇小説である。よくよく考えてみると恩田氏は別にミステリというものにこだわっているわけではなく、色々な作品を描いている。ゆえに、恩田氏の作品を読む時はむしろ、ミステリという属性にこだわらず、物語を読みこむというスタンスで取り組んだ方が良いのかもしれない。

 そこでこの作品であるが、演劇小説というか、オーディション小説と言ってもよいかもしれない。著者自身によるあとがきによれば、「ガラスの仮面」という有名な漫画の影響を受けているよう。ここでは、無名の女優・佐々木飛鳥が演劇のオーディションをどのように乗り越えていくかが描かれている。そのオーディションでは、全てを演者に知らせるのではなく、構成の一部を伏せているために、演者はその内容の裏を読み取って自分なりにアレンジした芝居をしなければならないのである。佐々木飛鳥はそのオーディションにて奇抜なアレンジをすることにより、見る人々の印象を釘付けとし、スターダムにのし上がっていくのである。

 のし上がると言いつつも、どうやら著者の構想では3部作ということで、本書はまだ序章にすぎない。もうこの作品が出てから7年くらいが経過しているのだが、まだ続編は出ていないようである。続編が出ることを望みながら首を長くして待ち続けよう。


中庭の出来事   5点

2006年11月 新潮社 単行本
2009年08月 新潮社 新潮文庫

<内容>
 ホテルの中庭で謎の死を遂げた人気脚本家。生前に彼が手がけていた、三人の女優による舞台劇。現実と劇、さらに劇中劇が入り乱れる中で浮き彫りになって来る真相とは!?

<感想>
“よくわからない”もしくは“ややこしい”の一言。現実や劇が入り乱れるという以前に、三人の女優による独白のパートが似たり寄ったりのものを繰り返しているので、まずそこでつっかえてしまった。その後も、何が主題となっているのかわかりづらく(脚本家の死のみが主題だとしても、それはそれでまわりくどい)、本筋を読み取りづらい構成に馴染めないまま話が終わってしまったという感じ。

 分量からいっても、三人の女優が演じる部分が基幹となるように思えたのだが、できればそこだけでももう少しとっつきやすくしてもらいたかった。本筋さえ、乗りやすければそれ以外は多少複雑な構成でもついて行けたと思うのだが、全体が複雑すぎてしまうと、どこをとっかかりとすればよいかがわからない。

 というわけで、ページ数はかなり厚いものの、最後の最後まで乗りきれないまま終わってしまった。詳細をメモしながら読んでいくという方法もあるのだろうが、わざわざそうしてまで読むほどのものとも・・・・・・


朝日のようにさわやかに   6点

2007年03月 新潮社 単行本
2010年06月 新潮社 新潮文庫

<内容>
 「水晶の夜、翡翠の朝」
 「ご案内」
 「あなたと夜と音楽と」
 「冷凍みかん」
 「赤い毬」
 「深夜の食欲」
 「いいわけ」
 「一千一秒殺人事件」
 「おはなしのつづき」
 「邂逅について」
 「淋しいお城」
 「楽園を追われて」
 「卒 業」
 「朝日のようにさわやかに」

<感想>
 何が起こるかわからない! 思いもよらず、恩田ワールドにとり込まれてしまう作品集。
 この作品はノン・ジャンルの作品集となっているのだが、それゆえに次にどのようなジャンルの作品が来るのか予想がつかず、良い意味でうらぎられる作品が目白押し。

「水晶の夜、翡翠の朝」は閉鎖された怪しげな学園のなかで起こる事件を描いたもの。また、「楽園を追われて」という作品は、同級生の葬儀に参加した4人がテーブルをかこんで過去を懐かしむという作品。どちらも恩田氏らしい作品なのであるが、結末の展開は予想外であり、ハッピーエンドが待っているのか、バッドエンドが待っているのか、是非とも読んで確かめてもらいたい。

 驚かされると言えば「冷凍みかん」。まさか“冷凍みかん”がSFのネタになるとは。他にも「卒業」という作品もタイトルからは考えられない内容になっている。

 残酷な童話として描かれる「淋しいお城」も雰囲気が出ていて実によい。とはえい、子供のころにこんな恐ろしげな童話を読んでしまうと一生忘れられなくなりそうだ。

「あなたと夜と音楽と」はラジオのパーソナリティが身近に起きた事件を語るというミステリ作品、等々。どれも一筋縄でいかない内容のものばかりが集められているのだが、それらがノン・ジャンルでごちゃまぜに詰め込まれているところが相乗効果を生み、作品集として成功している。


木漏れ日に泳ぐ魚   5点

2007年07月 中央公論新社 単行本
2010年11月 文藝春秋 文春文庫

<内容>
 その日の夜を最後に別れるという男女。二人は明日、住み慣れた部屋から引っ越し、別々に暮らすこととなる。最後に酒を酌み交わしながら思い出話をしていたのだが、二人が気になっていたのは、山登りにいったときにガイドを務めた男の死に関することであった。

<感想>
 最近の恩田氏らしい作品と言ったところ。ミステリっぽく作ってあるようで、それほどのものというわけでもない。どちらかと言えば、恋愛小説という意味合いが濃いように思えた。

 二人の男女が話を進めていくことにより、その二人の背景がだんだんとわかってくるという構成。ただ、山場はすでに序盤で終わってしまったように思え、短編作品としてもよいくらいの濃度であった。

 後半へと進むにしたがい、意外な真相が明らかになるというよりは、序盤のポイントからどんどんと離れた所へ進んでいってしまったように思われた。結局後半は山がないまま淡々と進んでそのまま終わったという印象のみ。

 昔の恩田氏の作品は、独特の作風による物語が展開されていたというように感じられたが、近年の作品は文学風の小説的なものへと作風が変わっていっているように思える。内容の良し悪しは別として、私自身が望んでいる作風からは外れていっているようなので、今後無理に追っていく必要はないのかもしれない。


猫と針   

2008年02月 新潮社 単行本
2011年02月 新潮社 新潮文庫

<内容>
 高校時代の友人が亡くなり、その葬式の帰りに集まった同窓生5人。お互いの近況を語りながら、学生時代を懐かしんでいたが、話題は15年前に起きた食中毒事件へと・・・・・・

<感想>
 恩田氏による戯曲作品。実際に劇の脚本に使われたものとのこと。そういうわけもあって、小説としては薄めであり、基本的に会話のみの構成となっている。

 小説として見てしまうとどうしてもあっさり目の作品というのみで終わってしまう。話の途中からラストへと流れる劇場的な効果についても十分理解できるのだが、それでもサスペンス小説としては普通。ただし、これを劇場の芝居として見てみれば、かなり印象は異なるのではないかと思われる。そんなわけで、DVDにでもなっているのならば、一度拝見してみたいものである。


訪問者   6点

2009年05月 祥伝社 単行本
2012年04月 祥伝社 祥伝社文庫

<内容>
 井上唯之はカメラマンと共に、湖のそばにある朝霞家の別荘を訪れていた。井上は取材と称して、朝霞家の一同を別荘に集めていた。実は井上の本当の目的は取材ではなく、彼の友人である映画監督・峠昌彦の意思を遂げるためであったのである。しかし、そんな彼の意思に反して、他にも突然別荘を訪れてくる招かれざる訪問者が来たことによって・・・・・・

<感想>
 なんだかんだ言いつつも、恩田氏の作品を読み続けているな。最近の作品はそれほど期待できないと言いつつも・・・・・・今回の作品が、これが意外と面白かった。ミステリ作品として、うまくはまっていたと思える。これはなかなかの佳作と言えよう。

 最近、クリスティーの「招かれざる客」を読んだせいか、なんとなく作品全体をクリスティー風と感じてしまった。この作品のように度重なる訪問者によって話がかき回されるという作品は、色々とあるようだ。代表的なのはプリーストリーの戯曲「夜の訪問者」(←近年、岩波文庫から出版された)。

 そうしたなかで、事故とも殺人ともとれる死体の登場、過去にまつわる二つの事件、訪問者を語る者からの謎のメッセージ、湖畔に現れる幽霊と、不可解なことが次々と巻き起こる。そして話が進むにつれて、徐々に真相が明らかになってくるのだが、そこに意外な構図が現れてくることとなる。

 さまざまな思惑が絡み合う中で、それぞれが個人的な思いを遂げようと奔走する様相が面白い。また、ミステリとしての意外性もなかなかのもの。文庫版だと手軽に購入できるので、これはちょっとした読書にも最適である。お薦めの一冊。


ブラック・ベルベット   6点

2015年05月 双葉社 単行本
2018年06月 双葉社 双葉文庫

<内容>
 外資系の製薬会社で働く神原恵弥。彼は今回、とある情報を探るためにT共和国を訪れていた。そのT共和国を訪れる前、知人からそれならばと別の仕事を依頼される。それは、行方不明になっている女性科学者がT共和国にいるという情報を得たので探してもらいたいとのこと。気安く引き受けた仕事で会ったが、その女性らしき人を見つけ尾行していると、なんと神原の目の前で刺殺されることに! その後、数多くの不可解な情報や出来事と向き合うこととなる神原恵弥。旅の果てに彼が見出す真相とは?

<感想>
 久しぶりに読む恩田氏の作品。この作品は「MAZE」と「クレオパトラの夢」に登場した神原恵弥が活躍するシリーズ第3作品。さらには、この作品に以前の2作に登場した人物らが登場するという豪華キャスト。ただ、私はもう前の2作の内容は忘れていたので、登場人物についてもあとがきを読むまでピンと来なかった。そんな感じても楽しめたので、この作品単体で読んでも十分楽しむことができると思われる。

 本書はスパイ小説というような感じの内容。製薬会社のエージェントである神原恵弥がT共和国を訪れる。(普通にトルコ共和国と書いてもよさそうなのだが、何故かT共和国。イスタンブールとかの地名は普通に出てくるのだが・・・・・・)

 主人公の神原は既に中年のおっさんであるのだが、何故かオネェ言葉をつかう人物。故に小説で読んでいると、女性が主人公と錯覚したまま読み続けてしまう。この神原が何ゆえにT共和国へと行くことになった理由については、作中でなかなか語られない。それとは別にもう一つの別の目的、女性科学者の行方の捜索については、のっけからその人物の死で物語が始まることに。

 神原が旅をするも、何故かわからないまま何者かから付け狙われているような気配が。そして、アンタレス、謎の奇病、蔓延する麻薬、昔の恋人との遭遇、等々謎に包まれたままの旅路となる。そしてその旅の後半でようやく神原はそれらの情報全てが意味することに気付くこととなる。

「MAZE」で登場した時枝満とのコンビが復活し、非常に小気味のいい物語の流れとなっている。ゆえに、未知の不安な旅路にも関わらず、楽天的な話であるようにも感じられる。最終的には“解決”というようりも単なる“情報のまとめ”という感じのみであるのだが、それはそれでうまくできていると思われた。スパイ小説のようで、ある種のロードノベルのような内容にも感じられる作品。


蜂蜜と遠雷   6点

2016年09月 幻冬舎 単行本
2019年04月 幻冬舎 幻冬舎文庫(上下)

<内容>
 芳ヶ江国際ピアノコンクールに出る4人にピアニスト。著名なピアニストの弟子であり優勝候補のマサル・アナトール。かつて天才少女といわれながら表舞台から姿を消した栄伝亜夜。楽器店勤務のサラリーマンである高島明石。そして無名の新人、風間塵。ピアニストたちの闘い、邂逅、そして成長。彼らを待ち受ける運命とは。

<感想>
 恩田氏の作品で、単行本で出たときに何かで有名になり取り上げられた作品だと思い、買ってみた。何で有名になったかといえば、そういえば直木賞受賞作であった。しかも本屋大賞も受賞していた有名作。

 そこまで世間で取り上げられており、しかも恩田氏の作品であれば面白くないわけがない。ひとつのピアノコンクールを通し、4人のピアニストとそこに関わる者たちの心情を描き上げた作品。恩田氏の作品で演劇の世界を描いた「チョコレート・コスモス」という作品が非常に面白かったことが印象に残っており、著者はこういった芸術的な内容のものを書くのがうまいのかもしれない。

 本書も文句なく面白かったのだが、一言付け加えれば、やや長かったかなと。作中でコンクールに関わるものたちが、長いコンクールに対して疲れと感動を覚えるというようなことを述べているのだが、まさに読んでいるほうもその通り。ある意味、その長いコンクールというものを作品自体で表したということなのかもしれない。




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