象と耳鳴り


「曜変天目の夜」  (早川書房『ミステリマガジン』1995年11月増刊号初出)
 美術館で曜変天目の茶碗を見たときに一つの事件を思い出す。


「新・D坂の殺人事件」  (集英社刊『青春と読書』1998年02月号初出)
 渋谷の雑踏の中に墜落したかのように忽然と現れた若い男の死体。しかしその周りには行き交う人々がいたにもかかわらず、目撃者がいなかった。


「給水塔」  (祥伝社刊『小説non』1996年01月号初出・祥伝社文庫『不条理な殺人』1998年07月刊に収録)
 人喰い給水塔という噂のある給水塔。関根多佳雄が散歩仲間から給水塔に関する妙な話を聞く。


「象と耳鳴り」  (祥伝社刊『小説non』1997年12月号初出・光文社カッパ・ノベルズ『最新「珠玉推理」大全(中)』日本推理作家協会編/1998年09月刊収録)
 象を見ると耳鳴りがするという女性に隠された秘密とは?


「海にゐるのは人魚ではない」  (祥伝社刊『小説non』1997年06月号初出)
 すれ違った小学生が口にした「うみにいるのは人魚じゃないんだよ」という不思議な言葉から人魚の正体を考える関根親子。


「ニューメキシコの月」  (祥伝社刊『小説non』1996年08月号初出)
 連続殺人を起こした医師の思惑とは?


「誰かに聞いた話」  (祥伝社刊『小説non』1998年07月号初出)
 関根多佳雄がだれかに聞いた妙な話を検証しながら思い起こしていく。


「廃園」  (祥伝社刊『小説non』1998年03月号初出)
 関根多佳雄が昔、迷路のようになった薔薇の咲き誇る庭の中で倒れていた従姉妹の思惑を推し量る。


「待合室の冒険」  (祥伝社刊『小説non』1998年10月増刊号初出)
 関根親子が駅の待合室で耳にしたある言葉から一つの事件に関わりあう。


「机上の論理」  (祥伝社刊『小説non』1999年02月号初出)
 一つの部屋を写した四枚の写真からそこに住む人物像を推理する関根兄妹。


「往復書簡」  (祥伝社刊『小説non』1999年06月号初出)
 手紙のやり取りで解き明かされる、ある街で起きた放火に関する事件。


「魔術師」  (書下ろし)
 バスの急ブレーキによる一つの事故、とある教室から消えた三十七の椅子、赤い犬の噂。これらがひとつの都市の力として結びつく。



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