最後のディナー


「里美上京」 (石岡和己の事件簿)
 犬防里美が上京してきて、石岡と横浜の町並みを歩く話。


「大根奇聞」 (書き下ろし)
 里美の通う大学の教授によってもたらされたミステリー。時は江戸時代(天保9年)、薩摩(鹿児島)にお坊さんと子供の二人づれがたどり着いた。しかしその頃薩摩は桜島が歴史的な火山活動を行っていたために大飢饉におちいっていたのだった。二人は行き倒れ寸前のところを老婆に助けられる。桜島の噴火のために作物は全滅してしまったのだが奇跡的にも火山灰のなかで十分に育った作物があった。それが桜島大根である。しかしその大根も大名によって獲るべからずといわれており、作物を前にして農民たちは倒れていく始末であった。仮に大根を飢えのために盗んだとしても死罪。そんな中老婆は坊さんたちのために禁制の大根を獲ってきてしまう。
 この大根にまつわる謎を御手洗はどのように解くのか?


「最後のディナー」 (ちっぱーみたらいくん)
 ひょんなことから英会話を習うことになった石岡。その英会話教室で石原老人と友人になる。老人との付き合いが続くなか、突然ここを去ることになったので最後に一緒に食事をしてほしいといってきた。
 老人が英会話にこだわりつづけたわけとは? 彼の隠された過去とは? そしてその後に一つの事件がおこる。
 これらの出来事に対して御手洗は何と??




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