毒を売る女


「毒を売る女」
 夫に性病を移され、それが不治の病と知ったとき、若妻は狂った!? 大道寺靖子は秘密を打ち明けていた友人とその家族に対して、次々と鬼気迫る接触をはじめ・・・・・・


「渇いた都市」
 あるスパゲティ屋で奇妙な事件が起こった。トイレから出てきた女性が店長に怒鳴り始めたのだ。彼女が用をたしている最中に男性客が来て、鍵がかからなかったせいで扉を開けてしまったというのだ。彼女は捨て台詞を残して結局帰っていった。その女性は銀座で水商売をしていると、見知った客が告げ、ドアを開けてしまった男性は尻にある青いアザを見られたのがいやだったのかなと話していた。
 その店で事件があったしばらく後、車で路地を通り抜けようとすると一本のロープが渡してあった。不気味に感じたので迂回して通ることにしたのだが・・・・・・
 田中昂作は、ある水商売の女性にのめりこみ、二十年溜め込んだ金をその女につぎ込んでいった。しかし金が底をつきかけたとき、女から別れ話を持ちかけられて、かっとなって殺してしまう。なんとか女の死体を隠そうと画策するが・・・・・・


「糸ノコとジグザグ  Jigsaw and ZigZag」
 糸ノコとジグザグという変わった名前のカフェバーで奇妙な男が突然演説を始め出す。バーのマスターにいわせると、彼は恩人であると言うのだ。そこでマスターはこのバーの名前の由来について話し始める。
 とあるラジオ番組で番組中にリスナーからの参加を呼びかけ、「自由なおしゃべり三分間」ということで応募を募ったところ、一つの奇妙な応募があった。それは自殺をほのめかす内容であった。そしてその自殺予告まであと三時間半。DJはその自殺をほのめかすテープをラジオで流し、リスナーたちの協力を仰ぎ、男を助けようとするのであった。


「ガラスケース」
 もらってきたガラスケースでおたまじゃくしを買ってきて育てたところ、成長ではなく進化が始まっていた。男が見た幻想絵巻。


「バイクの舞姫」
 十五年前に付き合っていて、自殺してしまった彼女の姿を目撃する。家柄が違いながらもかなわぬ恋とわかっていながら付き合い続けた短い歳月。男は置き忘れてきたものを探すように彼女の亡霊の姿を追ってゆく。


「ダイエット・コーラ」
 ダイエット・コーラを発明した蓑村八兵衛は大金持ちになった。しかし彼は毎日が一時間づつずれていくような奇妙な癖があった。医者に実は人間の体内時計は25時間なのですといわれた彼は、金を使ってあることを実行するのだった。


「上の殺意」
 昭和62年5月、吉敷は奇妙な事件に出会う。
 路地裏で一人の老人が殺されていたのだった。彼はその直前、飲み屋に息子と来ており、そこで地上げ屋の者と口論になったという。そして店を出た後に殺されたと・・・・・・
 日本社会における税についてメスを入れた問題作。


「数字のある風景」
 ある時、数字の波が彼に情報を与えていることに気づいたとき、彼はこれから起こりうることを予言できるようになったのだが・・・・・・



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