御手洗潔のメロディ


「IgE」 (EQ 1991年5月号)
 高名な声楽家、秦野大造が御手洗の探偵事務所を訪ねてきた。
 その声楽家の元ににレッスンを受けに来ていた洋子という女性が2日のレッスンを行い、一緒にドライブや食事をして別れた後、突然顔を出さなくなった。そしてその後、いきなり電話が来て変な男につけられているので助けに来てほしいと電話があり、そのバーへ行ってみても彼女はいなかった。秦野はその女性が忘れられなく、ぜひ探してほしいと御手洗に依頼した。
 秦野が来た2日後、レストランSで働く青年、本宮雅志が店の便器が壊されるという話を持ってくる。その店の一番手前の便器が三度にわったて壊され、もって行ってしまうという。
 またニュースでは公園の針葉樹林が傷つけられるという事件を報じていた。
 御手洗は突然「IGE、IGE」とつぶやき出す。これらの事件はすべて関係があるのだと御手洗は断言する。そして秦野に電話をかけ、今日洋子から電話が在り、どこかに連れ出されるだろうと、予言する。次に警察に電話をかけレストランSに部下を四人連れて来てほしいと丹下警部補にたのむ。
 レストランで何が起きるのか? 奇妙な出来事は一つに繋がるのか? IGEとは?


「SIVAD SELIM」 (島田荘司読本:原書房)
 石岡が思い出す、御手洗との過去の出来事。
 石岡が高校生主催の障害者のためのクリスマス・イヴコンサートに招待され、御手洗を連れて行こうとするが御手洗にはその日アメリカから大事な来客が来るといって断る。石岡は御手洗を責めるが頑として聞き入れない御手洗。しかしコンサートの当日御手洗が突然・・・・・・


「ボストン幽霊絵画事件」 (小説現代1998年10月増刊号メフィスト)
 御手洗は1960年代大学生としてボストンで暮らしていた。これはそのときの事件の話である。
 当時親しくしていたビリー・シリオが学生新聞に奇妙な事件がのっていることをもたらしてきた。ザッカオという人物が経営している自動車修理工場の看板のZの文字の右肩に銃弾がいくつも撃ち込まれていた、という事件である。
 御手洗は現場へ行って、その看板をみて銃弾を発射されたのは向かいのアパートの三階の絵画学校校長のフレッド・アッカーマンの家からだと予想する。そして御手洗はアッカーマンは殺されていて、失踪したことになっていると推理する。
 銃弾の謎、絵画学校をめぐる陰謀を御手洗潔はどう解くか!


「さらば遠い輝き」 (御手洗さんと石岡君が行く:原書房)
 ドイツ人でスウェーデンで活動している記者ハインリッヒ・フォン・レーンドルフはストックホルム大で脳の研究をしている御手洗と知り合いになる。
 そんなハインリッヒのもとに昔の知人であった女優のレオナ松崎から電話が来る。そして二人は再会しハインリッヒの口から御手洗のことについて語られる。




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