有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー
T.読者への挑戦
「埋もれた悪意」 巽昌章
ある日、男は、昔世話になった男の息子を探し出し恩返しをしようと考える。そしてテレビによってその旨を伝えたところ、二人の男が名乗りをあげた。どちらかが嘘をついているはずだと考え、二人の男をよび、さらに昔の事情を知っているものをよんで本物を見つけようとするのだが・・・・・・
「逃げる車」 白峰良介
ポルシェが暴走して行くのをみつけ、警察はパトカーで追跡した。やがてポルシェが辿り着いたのは、一見の病院。警官がその病院に入るとそこでは男が一人、毒を飲んで死んでいた。男は確かにポルシェの持主であるのだが、その男はここで何を? はたしてポルシェに乗っていたのは死んでいた男であったのだろうか?
「金色犬」 つのだじろう
U.トリックの驚き
「五十一番目の密室」 ロバート・アーサー
とある作家が新しい密室トリックを考えついたという。しかし、その作家は自宅において内部から堅く閉ざされた家の中で、首切り死体となって発見された。その作家の切断された首は、ビール用のコップの上に載せられて本棚の上に飾られていたのだった! 犯人はいかにしてこの犯罪を成し得たのか?
「<引き立て役倶楽部>の不快な事件」 W・ハイデンフェルト
名探偵の助手たちが集まる<引き立て役倶楽部>の面々が突然発見された密室殺人の謎を追うことに! 発見されたその家は内側から施錠されており、中に入るには窓を破るしか方法はなかった。窓から見えた死体を室内に入って調べると、明らかにその場で拳銃で撃たれた跡があるものの、当の凶器は見つけることができなかった。いかにしてこの犯罪は成り立ったのであろうか?
「アローモント監獄の謎」 ビル・プロンジーニ
死刑囚の絞首刑が実行されようとしている。囚人の首に縄がかかり、落し戸が開き、処刑は実行される。そして、役人が死体を検分しようと確認すると、なんと死体はその場から消失していたのだった!
V.線路の上のマジック
「生死線上」 余
「水の柱」 上田廣
自分が車掌を勤めていた列車で事故により一人の男があやまって列車から転落した。しかしその男の死に不審なものを感じた車掌は、列車の状況を思い出しながら、その男の行動を追っていくことに・・・・・・
W.トリックの冴え
「「わたくし」は犯人・・・」 海渡英祐
トリックを使い捨てるというトリック。
それは昔、捨てられた男に復讐しようとする女の手記から始まる。そしてその男が実際に殺されたとき、女が重要参考人となるのだが・・・・・・
「見えざる手によって」 ジョン・スラデック
殺人の予告を受けた男を守るために以来を受けた探偵サッカレィ・フィン。彼は男を迎え入れた後、その部屋の前で殺人が予告されていた時間が来るのを待ち構えていた。しかし、時が過ぎても何事も起こらなかった。しかし彼が部屋に入ったとき男は・・・・・・
内容・感想へ戻る