ミステリー・プロレスリング

<その3>




本格イズム(WJ)プロレスリング


法月 綸太郎(=長州力)
 男は悩んだ、どうするか。リングに上がったり(=書いたり)、上がらなかったり(=書かなかったり)の長きに渡る生活が続いた。
 しかし今のプロレス(=本格)はどうだろう。それが観客(=読者)の望むプロレスか? いや違う。違うはず。
 そう思うのならば悩んでばかりいられない。ここは俺が立ち上がるしかない。
 もう、悩みぬいた過去のことなど「生首に聞いてみろ」の原稿なんて捨ててしまえ。さぁ、目指せ新天地だ!!

 さぁ、“パワーホール”(=短編作品)の音楽と共に入場してきました。この男はいまだ健在です。
 でたぁ、でました“リキラリアート”(=綸太郎の冒険)出会い頭から決めていきました。いきなり大技炸裂です。
 おおっと、“バック・ドロップ”(=綸太郎の新冒険)。今日は一段とひねりがきいていますね。
 ああっと、“スコーピオン・デスロック”(=綸太郎の功績)。リングのほぼ中央です。これは相手もたまりません。

 大丈夫、まだまだいけるぜ俺の技(=昔の作品)。迷うことなんてない。まだまだこれで食っていける。新必殺技(=新作長編)などは必要ない。
 明日からも、“パワーホール”(=短編作品)の音が高く鳴り響くであろう。





氷川 透(=佐々木健介)
“大将が悩むなら俺も悩む”。誰もが認める実力者にもかかわらず、ついつい後ろを振り返ってしまう。
  あぁ、あのとき逃したIWGP(=鮎川賞)の代償は大きかったのだろうか。
  そして今ここにいたる道(=メフィスト賞)は誤っていかなったのだろうか。
  それとも大仁田戦(=ゲーデル問題)を取り上げたのはまずかったのか?

 しかし、思いやなめる時期もようやく脱出! いまの俺はもう大将についていくしかない。
 今こそ、目指すはプロレス(=本格)最高峰!
 必ずや俺の唯一無二ともいえる技、“健介ラリアート”(=論理推理)で世界の首を取る!!
 ただ、それにしても唯一の心残りは鈴木みのる戦(=密室本)。その戦いのリングに上がることが出来なかったのが残念だ。
 しかし、その借りも必ず返せるときが来る。今まで心配かけて「ホント、スマンカッタ」





山口 雅也(=マサ斎藤)
 長き沈黙を破り、この男が復活する。その男の名は、「“マサさん”と呼んでくれ」
 古くからプロレス(=本格)街道をまたにかけ、その活躍や留まることをしらず。
 その男の“バックドロップ”(=「生ける屍の死」)は重く、“監獄固め”(=キッド・ピストルズ)は骨をもきしませた。
 そして『巌流島』(=ミステリーズ)ではプロレス界のみならず、多くの注目をあびることに。

 しかし、そんな活躍も今は昔。
 しばらくの間は解説業(=垂里冴子)にて骨を休めることにした。
 しかし・・・・しかし・・・・、やっぱり俺にはプロレス(=本格)しかない!!
 たとえ、昔のファイトスタイル(=「奇偶」)と違っていても、必ず本道に戻ってみせる。
 みんな、その日まで待っていてくれ。そしてそのときはまた「“マサさん”と呼んでくれ」






変格(ZERO-ONE)プロレスリング


清涼院 流水 (=橋本真也)
“闘魂伝承”(=本格推理)・・・・・・失敗。しかし彼には唯一無二の称号がある。その名は“破壊王”(=流水大説)!!。

 本格の流れから隔絶された実力者。見捨てられたのか? それとも自ら見放したのか? それともこれが運命なのか!
 プロレス(=ミステリ)界に革命を起こすのならば、“破壊”(=リュースイ)あるのみ、「破壊の後に創造がある」。
“破壊王キック”(=この順番で読み直せ!)
“袈裟切りチョップ”(=第4章から読み直せ)
“水面蹴り”(=こっちから読み直すともう一つの物語が!)
“DDT”(=注釈に書いてある読み方を全部試したか!)
“垂直落下DDT”(=実はそれほどたいした意味はなかったんだ!!)
 今年こそは完全なる本格破壊(=「彩紋家」)に挑むのみ。もはやこの男を止めるものは誰もいない。  





殊能 将之(=小川直也)
 昨日の敵は今日の友。敵対していたわけではないのだけど、いつしか結びついた主義主張。だからといって別に歩みを並べるわけではない。
 ZERO-ONE(=変革)のリングを借りてただ暴れ狂うのみ。そう、彼こそがハサミ・・・いや、“暴走王”
 闘いかたはまさに暴走そのもの。反則すれすれのキレっぷり。あたかもそれは“牛”のごとくか“黒い仏”か。
 得意のSTO(=石動シリーズ)が火を吹いたとき、もはやリングに立つものはいない。
 彼の暴走ぶりはプロレス界(=メフィスト)をもはみ出そうとしている。





浦賀 和宏(=大谷晋次郎)
 ZERO-ONE(=変格)の切り込み隊長ここに推参。そう、奴こそがZERO-ONE(=変格=メフィスト)の申し子に他ならない。
 しかしこの男、悩める獅子の一人でもある。彼が行動するたびに罵詈雑言の雨あられ。

 何だ、あいつのファイトスタイルは!(=名指しで痛烈な非難をあびた)
 それでもIWGPのJrチャンピオンか!(=Webで批判をあびた)
 Jrからヘビーに転向して戦えるのか!(=幻冬舎から本を出した)
 新日から逃げるのか!(=徳間書店からも本を出した)

 しかし、そんな批判もなんのその。四の五のいうやつぁ“コブラホールド”(=「浦賀和宏殺人事件」)で逆ギレだ!
 どのような批判を受けようとも彼はリングに立ち続ける(=本を書き続ける)。彼の行動を止められるものなどは誰もいない。
 そう、彼の炎武連夢(=変武連夢)の称号は苦しめば苦しむほど光り輝く。
 さぁ、みんなもこんな腐りきった世の中から(安藤直樹といっしょに)“スワンダイブ”!!





西尾 維新(=田中将斗)
 こいつこそが、ZERO-ONE(=変格)最終兵器に他ならない。プロレス界(=ミステリ界)の弾丸小僧ここに極まれり。
 こいつの(=作風)は予想もつかないところから、予測がつかない角度でやってくる。
“弾丸エルボー”(=戯言使い)、“弾丸エルボー”(=天才が多数登場)、“弾丸エルボー”(=当て字が多い)、
“弾丸エルボー”(=当て字というより連想なのか?)、“弾丸エルボー”(=いーちゃんの本名教えてくれ!)
 その技に翻弄されたが最後、さらにはダイヤモンドダスト(=イラスト)にてトドメをさされる(=萌える)こと必須。
 最後に一言いってやる。 “お前はもう萌えている”(戯言ですけどね、ハハ)





黒田 研二(=高岩竜一)
 別に好きでここにいるわけではない。目指すのはあくまでも本格のリング。
 ちょっと路線が外れても、それは俺の本意ではない。目指しているのは正統派。
 決まった俺の“ラリアート”(=「ウェディング」)。正統派(=新本格)だと思わないか?
 やったぜ俺の“デスバレーボム”(=「ペルソナ」)。ジュニアにしとくのは(=ライト系では)もったいないだろう?
 すごいぜ俺の“パワーボム”(=「マトリョーシカ」)。他のリング(=出版社)でも呼んでくれ。
 みんな(=読者)は必ず知っている(はず)。俺こそが正統派(=新本格)の申し子だと。
 確かにどじったこと(=「嘘つきパズル」)もある。そんなの愛嬌もときには必要。
 忘れないで覚えていてくれ、ここに実力者がいることを!
 自分でいうのもなんだけどな。でも他の人は何も言ってくれないしな。





その他のプロレスラー


江戸川 乱歩(=力道山)
 ごめん、ただなんとなく入れてみたかっただけ。これを入れたいという魔力には勝てなかった。
 とりあえず、水平チョップ(=猟奇)で視聴率No1(=明智小五郎シリーズ)だ!!
 ということで。





霞 流一(=大仁田厚)
 おれはプロレス(=本格ミステリ)が大好きなんじゃぁーー!
 プロレスを愛するその気持ち。気持ちだけなら誰にも負けていない。しかし彼が採ったその道を人はこう呼ぶ、“邪道”(=バカミス)と。
 歪みきった愛情も(=かに)、愛する気持ちには変わりない。
 電流爆破で吹っ飛ぶのも(=とら)、それもプロレスを愛しているから。
 釘バットで殴られても(=わに)、それでもプロレスを愛している。
 有刺鉄線にからまっても(=ざりがに)、やっぱり俺にはプロレスしかない。
 火を吹いて反則取られても(=かめ)、それは“邪道”の生きる道。
 プロレスラーでしかいられない。でも“邪道”にしか生きられない。しかし俺は信じている。この道でも頂点を極められると。





京極 夏彦(=前田日明)
 皆が夢見る最強の呼び名。いまだ見果てぬ格闘王の称号。それを確かに手にした男がただ一人。
 そう彼こそが誰もが認めるspan class=格闘王(=妖怪王)。
 カール・ゴッチ(=水木しげる)の愛弟子がプロレス界全体をも揺るがした。

 彼の影響によって巻き起こった総合格闘技(=メフィスト賞)ブーム。すべては彼の後からできた道。
 彼が目指した“リアル・プロレスリング”(=陰陽士シリーズ)。その新しさが観客を呼ぶ。
 彼が戦う“リアル・ファイト”(=百物語)。そのすさまじさがさらに観客を呼ぶ。
 その彼が行う命を削る濃厚(=重厚なページ数)な戦いに人々は酔いしれる。
 その妥協を許さぬ格闘姿勢(=段落、行間、カバーへのこだわり)にさらに人々は酔いしれる。
 あまりの激しい闘いに怪我(=どすこい)を負うことがあったとしても、それでも彼は立ち上がる。
 そう彼こそが格闘王。たとえ他とは交わらずも、彼こそが最強だという呼び声はいまだ健在。





井上 夢人(=グラン浜田)
 一人、リングを流れ行く、その生き様は仕事人。
 闘い(=書き)続けて、いく年月。
 とったベルト(=江戸川乱歩賞等)は数知れず。
 相棒と組んで闘ったときもあった。一人になったときもあった。
 世界を渡り歩く者(=e-Novels)の先駆けでもあった。
 その歩みは決して止まることはない。
 彼は今でも現役の“小さな巨人”(=微妙な巨人?)である。






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