順位	タイトル	著　者	出版社
1位	水族館の殺人	青崎有吾	東京創元社
2位	憑き物	鳥飼否宇	講談社ノベルス
3位	落日のコンドル	霞流一	早川書房
4位	リバーサイド・チルドレン	梓崎優	ミステリ・フロンティア
5位	露壜村事件	椙本孝思	角川文庫
6位	祈りの幕が下りる時	東野圭吾	講談社
7位	福家警部補の報告	大倉崇裕	東京創元社
8位	猫柳十一弦の失敗	北山猛邦	講談社ノベルス
9位	見晴らしのいい密室	小林泰三	ハヤカワ文庫
10位	八王子七色面妖館密室不可能殺人	倉阪鬼一郎	講談社ノベルス

---

　毎年お決まりのシリーズであるのだが、今年の作品はなかなかのできばえ。奇想天外な密室と、こだわりぬいたテキストが読者を待ち受ける。


　過去の作品の焼き増しであるのだが、やたらとぴったりとはまり切った連作短編に仕立て上げられている。「目を擦る女」を既読の人にもお薦め。


　事件が起こる前に犯行を防ぐ探偵という設定が生かされた作品。これぞ新世界の探偵譚。


　いつもと変わりなく、福家警部補が活躍する作品集。三作品目にして安定したシリーズ作品。ドラマ化目前か!?


　加賀恭一郎シリーズ最新作。今作では物語で見せてくれる。トリック重視の作品ではないものの、どこか「容疑者Ｘ」を思わせる。


　ある種のバカミスか？　それとも直球ど真ん中の本格ミステリか？　隔絶された奇妙な村で起こる連続殺人事件。予想だにしない真相が読者を待ち受ける。


　カンボジアで起こる、リバーサイド・チルドレンの視点にたったミステリ。事件の理は、リバーサイド・チルドレンの生き様の中に･･････


　予想の斜め上を行く、新本格ミステリ。もはや、バカミスという範疇では収まらない。予想を超える論点を付いた体感型ミステリ。


　これぞ鳥飼氏の最高峰･･････と思ったのだが、巷ではそんなに話題にならなかったのが残念。ものすごく出来の良い、民俗学系本格ミステリだと感じたのだが。


　論理的な犯人宛にこだわりぬいた、鮎川賞作家の二作品目。「体育館の殺人」よりも地味目かもしれないが、論理へのこだわりは前作を超えているように感じられる。