Grand U-gnol   2019年国内ミステリBEST10


順位タイトル著 者出版社
1位或るエジプト十字架の謎柄刀一光文社
2位魔眼の匣の殺人今村昌弘東京創元社
3位medium メディウム相沢沙呼講談社
4位時空旅行者の砂時計方丈貴恵東京創元社
5位魔偶の如き齎すもの三津田信三講談社
6位犯人AIのインテリジェンス・アンプリファー早坂吝新潮文庫nex
7位殺人犯対殺人鬼早坂吝光文社
8位幻の彼女酒本歩光文社
9位いけない道尾秀介文藝春秋
10位カナダ金貨の謎有栖川有栖講談社ノベルス






第10位「カナダ金貨の謎」 有栖川有栖(講談社 講談社ノベルス)

 論理を駆使したミステリ短編集。火村英生シリーズでは、こういう趣向の本格ミステリは久しぶりのような。特に「船長が死んだ後」と「カナダ金貨の謎」の2編がお薦め。
内容・感想


第9位「いけない」 道尾秀介(文藝春秋 単行本)

 なんと数年前に出たアンソロジー企画「蝦蟇倉市事件」に掲載された短編に、続編となるものを3編付け足して完成させた作品。思わず2度読みしてしまう凝った内容の作品。
内容・感想


第8位「幻の彼女」 酒本歩(光文社 単行本)

 今年の「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作」。元カノの消息を調べ始めたのだが、今まで付き合っていた彼女たちが全て消息不明に!? いかにも島田氏選出らしき、驚きの結末が待ち受ける。
内容・感想


第7位「殺人犯対殺人鬼」 早坂吝(光文社 単行本)

 タイトルの“殺人犯対殺人鬼”という時点からもはや一筋縄ではいかないことが確定。閉鎖された孤児院で起こる殺人事件の顛末は?
内容・感想


第6位「犯人AIのインテリジェンス・アンプリファー」 早坂吝(新潮社 新潮文庫nex)

 人工知能同士の戦いを描いたミステリ作品。漂着死体、密室で発見された死体、総理大臣をも巻き込む数々の事件。それらが見事にひとつに結び付けられる。今作では探偵・相以(あい)と犯罪者・以相(いあ)、どちらに軍配が?
内容・感想


第5位「魔偶の如き齎すもの」 三津田信三(講談社 単行本)

 掲載されている全ての短編の背景がそれぞれ凝っていて面白い。息子を交換した二組の叔父と甥の間で起こる事件、村の中にできたさらに小さな隔絶された“村”で起きた事件、シャム双生児の獣の石像が飾られた謎の家、幸運と災いを同時に呼ぶ土偶がもたらした殺人事件。これらの紹介だけでも、もはや面白くないわけがないと予感させることであろう。
内容・感想


第4位「時空旅行者の砂時計」 方丈貴恵(東京創元社 単行本)

 今年の鮎川哲也賞受賞作。読み始めたときは、時空旅行者という設定に胡散臭いものを感じたのだが、最後まで読んでみて一変。中身は不可能犯罪を用いた、しっかりとした本格ミステリになっており、読めば驚愕必至!!
内容・感想


第3位「medium メディウム」 相沢沙呼(講談社 単行本)

 今年一番の国内ミステリ話題作。これで相沢氏もブレイク間違いなし? 霊能探偵・城塚翡翠のキャラクターが良い味を出していたが、それだけではなく、きちんとした論理的なミステリが展開されているところが見事。色々な意味で、芸が細かいと感嘆させられる作品。
内容・感想


第2位「魔眼の匣の殺人」 今村昌弘(東京創元社 単行本)

「屍人荘の殺人」でブレイクした作家であるが、個人的にはこちらの作品のほうが好き。予言者による死の予言と、クローズドサークル内で起こる殺人事件が絶妙な形で合わさった作品。
内容・感想


第1位「或るエジプト十字架の謎」 柄刀一(光文社 単行本)

 タイトルの通り、柄刀氏によるエラリークイーンの国名シリーズをもじった作品集。「ローマ帽子」「フランス白粉」「オランダ靴」「エジプト十字架」とタイトルそのままの4作品が収められている。論理もさることながら、それぞれの事件の顛末も凝ったものとなっているので、読み応えあり。
内容・感想







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