順位 | タイトル | 著 者 | 出版社 |
1位 | ミンコット荘に死す | レオ・ブルース | 扶桑社文庫 |
2位 | 服用禁止 | アントニイ・バークリー | 原書房 |
3位 | その女アレックス | ピエール・ルメートル | 文春文庫 |
4位 | 静かなる炎 | フィリップ・カー | PHP文芸文庫 |
5位 | 判決破棄 | マイクル・コナリー | 講談社文庫 |
6位 | ゴースト・スナイパー | ジェフリー・ディーヴァー | 文藝春秋 |
7位 | 人魚姫 | カミラ・レックバリ | 集英社文庫 |
8位 | 女郎蜘蛛 | パトリック・クェンティン | 創元推理文庫 |
9位 | リッジウェイ家の女 | リチャード・ニーリィ | 扶桑社文庫 |
10位 | 逃げる幻 | ヘレン・マクロイ | 創元推理文庫 |
第10位「逃げる幻」 ヘレン・マクロイ(東京創元社 創元推理文庫)
戦時中という時代背景をうまくとらえたミステリ作品。探偵役であるウィリング博士が精神分析医というよりも、有能な軍人となっているところにもシリーズとしての見どころがある。
第9位「リッジウェイ家の女」 リチャード・ニーリィ(扶桑社 扶桑社文庫)
登場人物が少ないゆえに、だいたい予想したとおりに話が進むのだろうと思いきや、想像の斜め上を行く展開に魅せられる作品。運命の行く末は、最後の最後まで予断を許さない。
第8位「女郎蜘蛛」 パトリック・クェンティン(東京創元社 創元推理文庫)
単なる痴情のもつれを描いた作品かと思いきや、後半ではしっかりとミステリを展開させてくれている。運命に屈したかと思われた主人公の再生する様子が見どころの作品。
第7位「人魚姫」 カミラ・レックバリ(集英社 集英社文庫)
シリーズ作品として今年2冊が出版されたのだが、残念ながらこちらの作品しか読むことができなかったのは残念。新たな作品が出るたびにシリーズとして味が出てきている。それだけではなく、単体の作品としても行方不明事件と作家に対する脅迫事件をうまく結びつけた内容となっている。
第6位「ゴースト・スナイパー」 ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋 単行本)
ギリギリで読むことができたのだが、これは読み逃さなくてよかった一冊。“スナイパー”からイメージする印象は、既に現実世界では変わりつつあり、もはやSFの領域へと昇華する!
第5位「判決破棄」 マイクル・コナリー(講談社 講談社文庫)
今年2冊出版されたコナリーの作品では「ナイン・ドラゴンズ」よりもこの「判決破棄」に軍配を上げたい。サスペンス・ミステリのみならず、法廷ミステリとしてもなかなかの秀作。
第4位「静かなる炎」 フィリップ・カー(PHP研究所 PHP文芸文庫)
終戦後のブエノスアイレスを舞台としたミステリ。主人公のグンターは、世界のどこへ行っても警察機構というしがらみからは逃れられないようである。歴史的な観点からも見るべきところの多い作品。
第3位「その女アレックス」 ピエール・ルメートル(文藝春秋 文春文庫)
文句なしの新人賞(処女作ではないけど)。ランキング1位総取りもうなずける内容。先を読ませない、新しいフランス警察ミステリ。2014年海外ミステリはこれを読まずして語れない。
第2位「服用禁止」 アントニイ・バークリー(原書房 ヴィンテージ・ミステリー)
バークリーの作品にして、よくぞ今まで訳されなかったなと不思議に思うほどの面白さ。いつもの探偵シェリンガムは登場しないものの、しっかりとしたミステリ作品として完成されている。「毒入りチョコレート事件」に近いという印象の内容。
第1位「ミンコット荘に死す」 レオ・ブルース(扶桑社 扶桑社文庫)
序盤から中盤にかけては、ややゴタゴタした感があるものの、終わってみれば、しっかりとしたミステリ作品であるということに納得させられる。目新しい内容ではないものの、しっかりと伏線を回収しきっているところには非凡なものを感じてしまう。